映画「グリーンブック」の感想~肌の色、LGBT、一般と孤独、何もかもが異なる二人の人物が奏でる感動の物語~

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※ネタバレがあるので、ご注意ください。

あらすじ

主な登場人物は二人

・主人公:トニー

イタリア人で喧嘩っ早いが、周りからの信頼が厚い。しかし黒人に対して、どこか蔑んだ感覚があった。

・ピアニスト:ドクター・シャーリー

音楽大学の博士号を取り、アメリカで3人のチームを率いて、黒人差別の激しい南部での公演ツアーを決める。

映画のあらすじ

南部での公演ツアーを決めたドクターは、運転手としてトニーを採用した。しかし性格は真反対。腕っ節が強く、自由なトニーと、繊細で綺麗好きなドクターとの公演ツアーは、また二人は一体どのようになるのか。

感想

この映画では性格が真反対の二人とのやり取りが数多く描写されているが、映画を進めていくと、肌の色や置かれている環境など、更なる対比が数多く描写される。例えば下記だ。

  • トニー ⇔ ドクター
  • 妻子持ち ⇔ 離婚歴あり
  • 仲間からの信頼が厚い ⇔ 孤独
  • 白人 ⇔ 黒人
  • 女性が好き ⇔ 男性が好き
  • 定職がない ⇔ 天才音楽家

このような境遇の差が全て分かったとき、ドクターは自分のことを「誰とも違う人間」と言った。

当時は差別が残っていた黒人であるにも関わらず音楽として成功しており、また男性が好きでというセクシャルマイノリティなど、自分が誰とも違う孤独な人間と表現している。

しかしトニーは、それらを知っても一人の人間と接していく。またドクターもトニーの明るさや真っ直ぐさに負けて、どんどん心を許していく。それが最も描かれているのが、この映画のハイライトシーンの一つ、車内でのフライドチキンを食べるシーンだ。

トニーは運転しながら手でフライドチキンを食べるが、ドクターは不摂生かつ手が汚れるからと食べなかったが、トニーに押されて食べてみると、美味しさに気付いてしまう。しまいには骨は車の窓から捨てるが、トニーが一緒に捨てたジュースのごみは車を戻してまで取りに行かせる。自分の芯を持ちながら、自分にはなかったことを受け入れて変わっていく、ことが描かれていた。

この映画の舞台は黒人差別がまだ存在し、地域的にも最も激しかった南部での物語である。差別がまだ横行していたので、試着が出来なかったり、トイレは外、レストランで食事も拒否される始末だった。特にレストランがいい例だ。そのレストランで自分が演奏するにも関わらず、食事は拒否。理由を聞くと、それが昔からのしきたりだから。

この映画では「人を変える」、そんあテーマが描かれており、ドクターが南部での公演を決めたのは、そんな黒人差別を変えたからであった。だから差別されながらも、白人の前で演奏を行っていくが、誰も差別をなくそうとはしなかった。

しかし全く境遇が異なる登場人物の二人は違った。

ドクターはトニーの明るさ、真っ直ぐさに心打たれて変わり

トニーも初めは黒人が使ったコップすら捨てる人間だったが、ドクターの演奏や妻へ描いていた手紙の修正をして貰い、芸術性やインテリジェンス性を感じ取り、黒人への意識・偏見が変わっていった。

自分を変えることで、フライドチキンの美味しさだったり、妻への手紙の書き方ひとつで妻を喜ばせることが出来ると、今まで知らなかった、見えていなかった景色を見ることが出来るようになった。

終身雇用の崩壊や世界中との繋がれる時代の到来から、これからはより「個」が重視される未来が来ます。自分と違うからだけで、人を拒絶していては勝ち残っていけません。人を変えるのは難しいですが、自分を変えるのは、まだ簡単です。きっかけさえあれば。僕もある1冊の本との出会いで、ブログやプログラミング、語学を始めました。おかげで今まで知りもしなかったこと、常識と思っていたことが違うんだと知ることで、僕の人生の見え方は大きく変わりました。きっかけさえあれば、必ず自分は変えれます。そんなきっかけを見つけるため、本や映画に触れたり、今まで行ったことのない場所に行ったり、会ったことのない人に会うなど、行動してみてはいかがでしょうか。

この映画は自分が変わることで見えていなかった景色が見える、そんなことを教えてくれた映画だと思いました。

本日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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