スティーブン・ジェラード自伝~君はひとりじゃない~リバプールのレジェンドが語る感動のピッチ外の話を紹介します。

書籍

15年以上リバプールを応援し続けているので、これを読まないとリバプールファンと名乗れないなと思い、満を持して読みました。

感想はおもろい!!!リバプール一筋、リバプールのキャプテンを長年務め、イングランド代表でもキャプテンになることへの名誉、責任を感じました。

その名誉と責任をずっと全う出来たのは、まさに題名の一人じゃなかったから。リバプールならおなじみのYou’ll never walk aloneです。

この歌は嵐の中、つまり暗い時沈んだ時も一人じゃないと、ファンが俺たちが付いているという歌です。しかし本書ではチームとして明るい時もみんなが支え合っている、メッセージがありました。

今回は紹介されている中からリバプールのキャプテンとしての仕事、彼が選ぶ最高の選手たちとの、エピソードを紹介します。

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リバプールのキャプテンとしての仕事

ここでは二つ紹介します。

①:監督が求める選手にリバプールへ来ないかと勧誘する

これ読んだ時、こんなことしてるんや!って思いました。確かに移籍ニュースでは〇〇に相談してチームの雰囲気・伝統・サポーターのことを聞いて、今回の移籍を決めたよ!と記事は目にすることもあります。

今回はその逆。勧誘することで移籍を促すことも、選手間でしていると知り、サッカーファンとして面白いと思いました。

たしかに監督より選手の方がお互いを知っていて、合理的な方法だなと思いました。

ここでジェラードが誰にアプローチしたか書いています。

  • ウィリアン(現在:アーセナル。当時:アンジ・マハチカラ(ロシア))
  • トニ・クロース(現在:レアル・マドリー。当時:バイエルン)
  • アレクシス・サンチェス(現在:インテル。当時バルセロナ)

残念ながら全員に断られています。

  • ウィリアン
  • →ジェラードと共にプレーはしたいが、チャンピオンズリーグが最優先
  • クロース
  • →レアルからアプローチされ、移籍を決断。ジェラードもレアル相手では白旗だと書いていました。
  • サンチェス
  • →スアレスのバルセロナへの移籍が確定していたときでした。スタリッジの相棒の為にもスアレスの代役を探すことは急務でしたが、結局アーセナルへ。もしリバプールだったらスアレス移籍後も優勝争いを出来ていただろうと。

三人ともロジャースが監督の時獲得を目指した選手です。もし全員リバプールと思うと胸アツです。

②:キャプテンとしての醍醐味の一つは他人の心配事を解決すること

この言葉はジェラード本人が本書で語っている言葉です。

こんなことを言えるからリバプール、イングランドでキャプテンを務めることが出来るんだと思いました。

ここで解決した問題を二つ紹介します。

スアレスのアーセナルへの移籍問題

この本で一番出てくる選手がスアレスです。アーセナル移籍はエブラとの問題やチャンピオンズリーグへの出場で真剣に移籍を考えていました。

しかしジェラードはもちろん移籍をやめるよう働きかけます。もちろんスアレスがアーセナルに移籍すればリバプールは弱体化し、アーセナルは強くなる観点からもありました。

しかし一番はファンからの愛情でした。

ジェラードはトーレスの移籍を例に出しました。トーレスもリバプールで得点を量産し、ファンから絶大な愛情を受けていました。しかしチェルシーに移籍しました。そのあとどうなったかと言うとトーレス自身もリバプール時代のパフォーマンスを発揮できず、ファンからはブーイングの嵐。

お前もそうなりたいのか、お前は心からアーセナルに移籍したいのか、問いました。もう1シーズンプレーしてチャンピオンズリーグを置き土産に、レアルか奥さんの故郷のバルセロナに移籍するのが最もいい選択だとアドバイスしました。そしてスアレスはそれを受け入れました。

そのあとどうなったかと言うと、リバプールは24シーズンぶりの優勝に迫り、スアレスは個人賞を総なめ。そして奥さんの故郷のバルセロナへ移籍しました。

②:ヘンダーソンからの母親からの相談

ヘンダーソンがリバプールの入団直後、母親を慰めたエピソードがあります。

ヘンダーソンの母親から息子が上手くやれるか心配で相談されたが、彼は成功すると確信していました。

ジェラードは数日練習を見ると、リバプールで通用するか/しないか分かるそうです。

例えばイアゴ・アスパスやルイス・アルベルトはスペインから来たのでテクニックはずば抜けて上手かったが、15歳みたいな体格のためテリーやショークロスと渡り合うのは到底無理。結果はジェラードの予想通り、二人ともすぐに移籍しました。

ちなみにマスチェラーノは最初の数試合はパスも出せなかったそうですが、5、6試合もすると見違えるくらい上手くなり、シャビアロンソと最高の中盤を組んでくれました。

そんな中ヘンダーソンは練習への取り組みんどから成功すると確信していたそうです。

時間はかかりましたが、今や誰もが認めるリバプールのキャプテンです。ジェラードの目もさすがです!

ジェラードが選ぶ最高の4人の選手

ルイス・スアレス

フェルナンド・トーレス

シャビ・アロンソ

ウェイン・ルーニー

本書では圧倒的にスアレスが多く登場し、トーレスやオーウェンと比較してもスアレスは別格というほど彼を讃えています。ジェラードの本ですが、少しだけ、スアレスのエピソードを紹介します。

①パーティーには行かない

試合後のパーティーには参加しない。奥さんと子供にすぐに会いたいから。スアレスはウルグアイ出身です。南米なのでパーティー好きと勝手に思っていましたが、ほとんど参加しなかったそうです。

②:今の奥さんは最初の彼女

どんだけ純愛やねん!って思いました。そして奥さんの故郷へのバルセロナにも移籍しました。その原動力となったのが、まだ付き合いたての頃、彼女がスペインへ戻るとき飛行機での別れが辛く、絶対ヨーロッパで活躍すると心に決めました。

問題の多かったスアレスですが、なぜあれだけ活躍できたか少し分かりました。サッカー。家族に対し真摯に向き合っていたから、あれだけのゴールを決めれたんだと、素人ながら思いました。

きみはひとりじゃない

本書ではジェラードの栄光・苦悩が数多く綴られています。

栄光ではイスタンブールの奇跡、2013/2014の優勝争い、そして苦悩ではチェルシー戦でのスリップ、サッカー選手として苦悩です。

サッカー選手としての苦悩は怪我やふつうの生活が送れないことです。町で二分も歩けば誰もが写真やサインを求めてきます。そのため家族と買い物をしたりと普通の人生が送れないのです。そのためチェルシー戦でスリップしたときは、モナコに奥さんと行ったそうです。街にいれる心境ではなかったし、自分と向き合う時間のため。

そのとき支えてくれたのは奥さんや親友たち。そんな支えがあり忘れるまではいかないにしても、乗り越えていきました。そしてリバプール退団時にはモウリーニョから手紙を貰い、ルーカスからはメッセージ付きのお盆を貰い、試合後のパーティーに参加できなかったコロトゥーレからは電話を貰い、ヘンダーソンからはジダンやスアレス、ヒーピアやバロテッリからもメッセージが綴られたノートをプレゼントされた。

暗い時も明るい時も人と繋がる、You’ll never walk aloneにぴったりな内容でした。

本日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。本書では紹介できなかったエピソードも数多く登場します。気になった方は是非ポチってみてください。


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